2009-07-09
仲俣暁生さんの再販制に関する誤解
再販制度 | |
仲俣さんが理解していないとは驚きなんだけど、コメントが書けずブクマコメに書いてもまだ修正されないので記事にしておく。
当記事にコメントを頂戴し、元記事の注にも追記していただけました。(2009/08/18)
「35ブックス」は書店にとって福音か - 【海難記】 Wrecked on the Sea
の注釈部分。
再販制度の範囲内でも、刊行から一年を過ぎたら価格拘束を外すことができるらしい。多くの書店がそれをやらないのは、案外、本に関してあまりに消費者が従順だからかもしれない。ブックオフを悪く言うなら、自分たちも積極的に時限再販で値引きをしてみればいいのだ。ちなみに筑摩の菊池社長は時限再販推進派。http://www.bmshop.jp/cgi_bin/bbs/shinbunka/read.cgi?no=2601 このあいだの記者会見でも、時限再販との併用を強調していたが、それは出版社が決めることじゃなくて、あくまでも書店の側の問題なのだろうな。
再販売価格維持は出版社が決めるものです。
「価格拘束を外す」のも出版社です。
リンク先の
再販制度の中の時限再販を活用して、1年間は定価で売ってもらう。
というのは、他の業界なら発売直後から小売が価格決定を出来るけど、出版物には再販制があるので一年間は価格拘束をしよう、という話(現在は殆どの書籍が未来永劫に渡って価格拘束されている)。
書店が勝手に再販を破って値引きするのは契約違反です。
流対協、Amazonに再版契約の遵守を求める : J-CASTニュース
【アマゾン値引き】 緑風出版が改めてAmazonへ申入れ(5月21日) | こんな本があるんです、いま
再販を外す場合は↓のように出版社が指定するのである。
このように発売時から非再販にすることも出来るし、発売時に再販期間を決めても良いし(時限再販)、刊行済みの書籍を非再販にして再出荷することも出来る(自由価格本)。
刊行済みの書籍が市場(書店の棚)に出回っている状態で再販を外すことを宣言しても良いと思う。(出版社が倒産してしまった場合も同様の扱いか。)
これが「再販制度の範囲内」の意味である。
公取委が出版物の再販制を撤廃したら、再販行為を行った出版社は独占禁止法違法になる。
なお、非再販出版物に前例が無いわけではなく、既に大量に出回っている。
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「多くの書店がそれをやらない」のは、マージンが従来通りなので値引きすると利益が出ないことと、委託制なので(仕入値=定価の77~78%で)返品可能であることが理由だろう。
ところで、朝日のこの記事が大量にブクマされていたけど、
この中で講談社の商品は、時限再販でもある筈なのだ。
同商品には時限再販を導入して、発売から1年後に再販指定を外し、書店に価格設定権を移管する。
記事でもブクマでも触れられていない。
時限再販については未定なのか立ち消えになったのか、新聞社が再販に触れるのを嫌ったのか不明だけど。
菊池社長は35ブックスの中で時限再販も狙っていると思うよ。
solar2009/08/18 10:44【海難記】の仲俣です。いまごろになってトラックバックに気づきました。遅くなりましたが、誤解箇所の訂正に感謝します。注にさらに追記をつけておいたのでご覧下さい!